この記事は、ハリーポッターシリーズの映画・原作のネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください。
ロックハートの真の姿
ホグワーツで教えられる科目の一つである『闇の魔術に対する防衛術』の先生には、まともな人物がほとんどいません
後頭部にヴォルデモートを飼っていた者、他人になりすました死喰い人、そして生徒を虐待するピンクのガマガエル
彼らと比べると少しまともに見えるかもしれませんが、ギルデロイ・ロックハートも、最悪な部類に入る教師の一人です
ロックハートの表向きの姿は、彼の本に書かれているような、輝かしい偉業を成し遂げてきた魔法界の英雄です
しかしロックハートの真の姿は、他の魔法使いの功績を奪い、自分がやったように見せかけていただけの、たちの悪い詐欺師でした
ロックハートが唯一得意とするのは『忘却術』で、記憶を修正し、彼の詐欺行為を隠蔽するのに役立ちました
しかし、その『忘却術』に特化していたため、ロックハートの他の魔法の能力は、目も当てられないほど劣化していました
彼は自分で解き放ったピクシー妖精ですら、まともに制御することができません
ハリーが腕の骨を折ったときには、それを治してやると豪語しながら、腕の骨を全部無くしてしまいました
何もできないくせに、いつも口だけは達者なのです
ダンブルドアは知っていた?
いったい誰が、こんな無能な教師を雇おうなんて考えたのでしょうか?
それは、誰あろう、ホグワーツ校長であるアルバス・ダンブルドアその人です
ダンブルドアは、なぜロックハートのような人物を、教師として雇うことに決めたのでしょうか?
なんでもお見通しのダンブルドアが、ロックハートの真の姿に気づいていなかったとでも言うのでしょうか?
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— Wizarding World (@wizardingworld) October 2, 2015
当然ダンブルドアは、ロックハートが詐欺師であることに気づいていました
ロックハートが奪った功績をライフワークとしていた二人の魔法使いを、ダンブルドアは知っていたのです
知っていた上で、ダンブルドアにはロックハートを雇ういつくかの理由がありました
理由(1):詐欺師であることを世間に晒すため
1つ目の理由は、ロックハートが詐欺師であることを明らかにするためです
ダンブルドアは、ロックハートの真の姿を世間に晒すには、ホグワーツに教師として戻すだけで十分だと確信していました
実際に、教師となったロックハートは次々とボロを出していき、ついにはハリーとロンに正体を見抜かれてしまいます
しかし、ロックハートの悲劇はそれだけでは終わりません
彼はロンの杖を奪い、二人に忘却術をかけて正体がバレるのを防ごうとしました
すると折れた杖のせいで呪文が逆噴射して、ロックハート自身の記憶を吹っ飛ばしてしまったのです
ダンブルドアがそこまで想定していたかはわかりませんが、彼の望み通り、ロックハートは自分がやったことの報いを十分に受けることになりました
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理由(2):他に候補がいなかった
ロックハートを雇った2つ目の理由は、他に誰も候補がいなかったからです
この『闇の魔術に対する防衛術』の教職は、志願を拒否されたトム・リドルによって呪いがかけられています
それ以来、この教職についてから1年以上長続きする者は誰もいません
さらに、前年にこの科目を担当したのは、ヴォルデモートの忠実な僕で、最終的には灰になるという末路を辿りました
それも相まって、世間的にもこの教職は縁起が悪いという認識が広がっていました
自分から進んでこの教職に就きたいなんて考える人物は、誰もいなかったのです
『スネイプがいるじゃないか!』と思った人もいるかもしれません
しかしスネイプは、ダンブルドアにとって最も重要で、他のどの教員よりも信頼をおける存在でした
そんなスネイプを呪われた教職に就かせ、悲惨な末路を辿ることをダンブルドアは望まなかったでしょう
↓スネイプについてさらに詳しく↓
ではなぜ、ロックハートはこの教職につくことを受け入れたのでしょうか?
それは、スラグホーンがホグワーツに戻った理由と同じように、有名なハリー・ポッターを教えることができるからです
そうすれば、ロックハートは自分の肩書きにさらに箔が付くと考えたのでしょう
理由(3):反面教師として
ロックハートを雇った3つ目の理由は、ダメな教師からも学ぶことはたくさんあると、ダンブルドアが考えたからです
つまり、ダンブルドアはロックハートに、反面教師としての役割を望んだのです
2年生になったハリーは、ロックハートのように名声に溺れてしまってもおかしくない立場にいました
1年生の時、彼は最年少でクィディッチチームのシーカーになりました
その学年末には、ヴォルデモートと再び対峙し、またもやその手を逃れたのです
ハリーはその功績で60点を獲得し、寮対抗杯でグリフィンドールを優勝に導きました
新学期が始まるとジニー・ウィーズリーやコリン・クリービーのように、ハリーのファンもできていました
これだけちやほやされれば、少しくらい調子に乗っても仕方がないでしょう
しかし、ハリーは少しもおごり高ぶることはありませんでした
ロックハートのようには、絶対になりたくないと思っていたからです
評判ばかりを気にして、自分の自慢話しかしない人間がどれほど愚かしいかを、ロックハートは身を以て教えてくれていたのです
そしてそれ以外にも、ロックハートはハリーが重要なことを学ぶのに役立ちました
それは、エクスペリアームス、武装解除の呪文です
実際にこの呪文を唱えたのはスネイプでしたが、そもそも決闘クラブをやろうと言い出したのは、他でもないロックハートです
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— Wizarding World (@wizardingworld) February 20, 2022
そしてロックハートは、スネイプの術を”わざと”体で受け止め、どうなるかを身を以て生徒たちに示したのです
この時に習得した武装解除の呪文は、ハリーにとって最大の武器になります
ヴォルデモートとの直接対決からハリーを救い、そして最後にヴォルデモートを倒したのもこの呪文でした
ロックハートは意図せずとも、ハリーをちゃんと正しい方向に導いていました
このように、ダンブルドアはロックハートという人物を十分理解した上で、緻密な計画の元に彼を雇うことを決めたのです
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