この記事は、ハリーポッターシリーズの映画・原作のネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください。
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』で、ハリーたちはシリウスを救出するために、魔法省の神秘部に行きます
神秘部の中でハリーたちはアーチのような不思議な物体を発見します
ハリーはそのアーチから誰かがささやいているような声を聞きます
ルーナもその声が聞こえると言いましたが、ハーマイオニーなどの他のメンバーには聞こえていないようです
そのあとで、騎士団のメンバーがハリーたちを助けるために到着するのですが、その戦いの最中で、シリウスがベラトリックスの死の呪いに撃たれてしまいます
そしてシリウスは、あのアーチの中に吸い込まれて消えてしまいます
それきり、シリウスはもう2度とハリーのもとへ戻ってくることはありませんでした
この神秘部にあるアーチの正体は一体なんなのでしょうか?
なぜシリウスは、アーチの中に吸い込まれていってしまったのでしょうか?
神秘部とはそもそも何なのか?
神秘部は、魔法省の部門の1つで、魔法についての様々な研究を行っている機関です
神秘部の研究者たちは『無言者』と呼ばれ、その研究内容を口外することは固く禁じられています
この神秘部では、時間・予言・愛など様々な分野の研究が行われており、『死』もその分野の一つです
この死についての研究が行われている『死の間』に置かれていたのが、あの謎のアーチです
このことから、謎のアーチは『死』に関係する何かであることがわかります
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謎のアーチの正体は?
この神秘部にあるアーチは、原作小説では『ベール』と呼ばれています
正確には、アーチ自体がベールなのではなく、アーチの内側にかかっている黒いカーテンのようなものがベールです
アーチはいわば支えに過ぎず、ベールこそがこのアイテムの本体と言えるでしょう
そしてこの『ベール』という言葉は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』で登場する『三人兄弟の物語』の中にも出てきます
以下は、二番目の兄が、死から貰った『蘇りの石』を使う場面からの引用です
「一方、二番目の兄は、ひとり暮らしをしていた自分の家に戻りました。そこですぐに死人を呼び戻す力のある石を取り出し、手の中で三度回しました。驚いたことに、そしてうれしいことに、若くして死んだ、その昔結婚を夢見た女性の姿が現れました」 「しかし、彼女は悲しそうで冷たく、二番目の兄とはベールで仕切られているかのようでした。
出典:『ハリー・ポッターと死の秘宝』原作小説より
蘇りの石は、本当の意味で死者を蘇えらせることはできません
姿を見たり、話したりすることはできても、彼女はまだベールの向こう側(死者の世界)にいるのです
このことから、『ベール』は生者の世界と死者の世界を仕切る”境界線”のようなものであることがわかります
だからシリウスは、死の呪いを受けた後、ベールの向こう側(死者の世界)へ行き、もう戻ってくることはできなかったのです
ベールをくぐるとどうなる?
もし生きている者がベールを通り抜けたら、その人はどうなってしまうのでしょうか?
おそらくその人は死んでしまうでしょう
推測するに、ベールの向こう側への旅は片道切符です
一度死者の世界へ行ってしまえば、もうこちら側の世界に戻ってくることはできないはずです
もしできたら、何人もの死者がベールを通って蘇ってしまうことになります
なぜハリーとルーナにだけ声が聞こえたのか?
ハリーとルーナはどちらも、セストラルを見ることができます
つまり、二人とも大事な人の死を目の当たりにしています
ハリーは友人のセドリックと両親を、ルーナは母親を亡くしています
ベールの向こう側が死者の世界だとするならば、二人が聞いた声は、亡くなった大事な人たちが語りかける声でしょう
少なくともルーナは、その声を聞いたと信じています
「いまでもときどき、とっても悲しくなるよ。でも、あたしにはパパがいる。それに、二度とママに会えないっていうわけじゃないもン。ね?」 「あー――そうかな?」ハリーは曖昧な返事をした。 ルーナは信じられないというふうに頭を振った。 「ほら、しっかりして。聞いただろ? ベールのすぐ裏側で?」 「君が言うのは……」 「アーチのある、あの部屋だよ。みんな、見えないところに隠れているだけなんだ。それだけだよ。あんたには聞こえたんだ」
出典:『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』原作小説より
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