この記事は作品のネタバレになる内容を含みます。本編を未鑑賞の方はご注意ください。
無表情なウェンズデー
ウェンズデー・アダムスは、決して表情豊かな女の子とは言えません
彼女は常に無表情で、周りの人間に対して、冷たく非難がましい視線を放っています
そんなウェンズデーにも、彼女の顔に笑みがこぼれる瞬間が少なからずあります
ウェンズデーは一体どんな時に笑顔になっていたのか、一つずつ振り返ってみましょう
いじめの報復
1つは、弟のパグズリーをいじめた同級生に、仕返しをした時です
幻視能力で弟をいじめた犯人を突き止めたウェンズデーは、ビニール袋に入れたピラニアを持ってプールサイドに現れます
プールでは、パグズリーをいじめた同級生たちが部活の練習をしていました
にも関わらず、ウェンズデーは何の躊躇もなしに、ピラニアをプールの中に放ちます
同級生たちは一斉にプールから出ようとしますが、逃げ遅れた一人がピラニアの餌食となります
プールが赤く染まっていくのを見て、ウェンズデーは満足そうに微笑みます
学園が好きになるウェンズデー
2つ目は、ネヴァーモアでの学園生活に楽しみを見出した時です
ネヴァーモアに来て1週間経った時、ウェンズデーはこの週の間に何が起こったかを振り返ります
彼女は2度も死にかけ、父親が殺人犯である可能性や、自分が学園を破壊する可能性を知り、殺人モンスターに命を救われました
自分が今置かれている危機的状況、そしてこれから起こるであろう悲惨な出来事に期待を膨らませ、ウェンズデーはニヤリと笑います
血の雨を浴びる
3つ目は、レイヴンで血の雨を浴びた時です
大盛り上がりのダンスパーティーの最中、突然天井のスプリンクラーから血の雨が滴り落ちてきます
会場内の全員がパニックになる中、ウェンズデーだけは上を見上げて幸せそうに微笑みます
しかし、この赤い雨が実際は血ではなくペンキだと分かったウェンズデーは、がっかりした様子で元の硬い表情に戻ってしまいます
本当の笑顔
ウェンズデーが見せたこれら3つの笑顔は、彼女のサディスティックな性格から来るものです
ウェンズデーは、暗い展開が大好き、葬式は楽しい、そして死体安置所が心地いいと言います
アダムスファミリーの人間は皆そうですが、そのような不幸で邪悪な事柄に、特別喜びを感じるのです
いじめの首謀者を殺しかけていること、自分が死ぬほど危険な状況に晒されていること、そして血の雨を全身に浴びること
このどれもが、ウェンズデーにとっては嬉しくてたまらないのです
しかし、彼女のサディズムから来る笑顔とは別に、ウェンズデーが心の底から笑顔になったと思われる瞬間が一度だけあります
それは、フェスターおじさんとの再開を果たした時です
この時のウェンズデーは、今までとは明らかに異なった種類の笑顔を見せます
この時のウェンズデーは、純粋におじさんと会えた嬉しさから、笑顔になっています
この反応がいかに特別かは、ウェンズデーの他の家族に対する接し方を見ればよくわかります
保護者の日に、自分の家族に久しぶりに再会したウェンズデーは、彼らに対して一切笑顔を見せません
ウェンズデーはフェスターおじさんにだけ、特別に心を許していることがわかります
また、この二人の関係性は、いろいろな場面で垣間見えています
ウェンズデーがカフェでジェリコの青年たちを華麗に成敗した時、彼女はカンフーをおじから習ったと言います
フェスターおじさんも、ウェンズデーのことを”弟子”と呼んでおり、さらにウェンズデーが家族で1番のお気に入りだと話します
ウェンズデーはおじから多くのことを学び、多くの時間を一緒に過ごしたのでしょう
家族への思いやり
ただし、だからと言ってウェンズデーが、他の家族を大事に思っていないわけではありません
ウェンズデーは、パグズリーをいじめっ子から保護し、明らかにやりすぎと言える復讐をやってのけます
ゴメスに対しては、父親として十分以上に立派だと、素直に伝えることができます
ハンドがナイフで刺され瀕死状態の時、彼女は涙を流します サソリであるペットのネロが死んで以来、泣かないと決めたにも関わらずです
冷酷で無感情に見えるウェンズデーですが、彼女は確かに家族を思いやる温かい心を持っています
とはいえ、感情を全て曝け出すとなると、彼らはウェンズデーにとって近すぎる存在です
近すぎず、遠すぎず、ちょうど良い距離感のフェスターおじさんが、ウェンズデーには一番接しやすいのだと思います
コメントを残す