この記事は、ハリーポッターシリーズの映画・原作のネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』でのホグワーツの戦いの最中、ヴォルデモートは最強の杖であるニワトコの杖が自分の思い通りに機能していないことに気が付きます
そこでヴォルデモートは、スネイプがニワトコの杖の真の所有者ではないかと推測します
杖は忠誠心を持っており、前の所有者から杖を勝ち取ると、杖の忠誠心が変わり、新たな持ち主に忠誠を誓います
ニワトコの杖は元々ダンブルドアが所有しており、スネイプがダンブルドアを殺した時に、スネイプに所有権が移ったと、ヴォルデモートは考えたのです
(実際はドラコがダンブルドアを武装解除した時に、ドラコに所有権が移っていた)
なのでヴォルデモートは、自分がニワトコの杖の真の所有者になるため、大蛇のナギニを使ってスネイプを殺します
当然、スネイプは杖の所有者ではなかったので、ニワトコの杖が真にヴォルデモートのものになることはありませんでした
しかし、ここで疑問なのは、なぜヴォルデモートは自らの手でスネイプを始末しなかったのかということです
本当に杖の所有権を得たいなら、自分自身で手を下したいと考えるのが自然です
なのになぜ、ヴォルデモートはわざわざナギニにスネイプを殺させたのでしょうか?
杖の忠誠心
ヴォルデモートが自ら手を下さなかった理由はおそらく、ニワトコの杖が持ち主(スネイプ)に対して正常に機能しないと考えたからです
杖作りのオリバンダー曰く、杖が持ち主を選び、その者に忠誠を誓います
なので、杖は当然自分の持ち主を認識しているはずです
その持ち主に対して死の呪いを使えば、ニワトコの杖は何らかの抵抗を示すのではないかとヴォルデモートは考えたのでしょう
最悪の場合、死の呪いが自分に跳ね返ってくることも考えられます
それはヴォルデモートにとって、自分が経験した中でも最大のトラウマです
ヴォルデモートはそのリスクだけは避けたいと考えたはずです
また、ヴォルデモートは『兄弟杖』同士を戦わせるとどうなるかも経験しています
ヴォルデモートの杖とハリーの杖は、芯が同じ『兄弟杖』であったがために、二人が決闘した時、杖は正常に機能しませんでした
このような特性からしても、杖が持ち主に対しての攻撃を拒む可能性は十分考えられます
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杖は本当に持ち主を攻撃できないのか?
しかし、この杖が持ち主を攻撃できないという考えは本当に正しいのでしょうか?
実際、ヴォルデモートは禁じられた森で、ニワトコの杖の真の所有者であるハリーに対して死の呪いを使っています
(ヴォルデモートはスネイプがニワトコの杖の持ち主であると考えていましたが、実際はダンブルドアからドラコへと所有権が移り、マルフォイの館でドラコからハリーが杖を力ずくで奪った時に、ハリーに所有権が移っていました)
ヴォルデモートがニワトコの杖を使って、ハリーに対して死の呪いを使った時、呪いは正常に機能しました
なぜなら、分霊箱の中の魂を破壊するには、魂が入れられている”箱”、つまりハリーが破壊される必要があるからです(詳しくは以下の記事のチャプター”分霊箱を破壊するには?“で説明しています)
ハリーの中のヴォルデモートの魂が破壊されたということは、死の呪いがちゃんと効いたということになります
この事実に基けば、杖はその持ち主を殺すことも可能だと言えるでしょう
脚本の都合
もう一つの理由として、スネイプをすぐに死なせてしまうと、この後の展開的に都合が悪い、というのも少なからずはあったと思います
スネイプが重傷を負った後のハリーとの会話、そしてスネイプの涙を取り、ハリーがスネイプの記憶を見る場面は、物語の要となる部分です
もしスネイプがアバダケダブラの呪いで、一瞬で死に至っていたら、この出来事は全て起こらなかったことになってしまいます
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